巡り

秋に物を処分した際、そのいくつかを庭先に出した。

ガレージセールだ。
正確には、好きに持ってかえってもらった。



新品同様だが使わないもの。
好きで選んだが、色あせて見えるもの。
ほとんどは残ったが、次に見た時そのいくつかがなくなっているのは嬉しかった。




今日、犬の散歩をしていた。
向かいの家の庭に、見覚えある時計がかけてあった。
ガレージセールに出したものだ。


その時計は建物の中ではなく、外側につけられていた。
買うほどではないが、あるならあそこにつけよう、といった具合に。


きっと外で作業をするとき、チラと目をやるのだ。
お婆さんがひなたぼっこから帰ってきたとき、チラと見るのだ。




初めて電池をいれてもらい、
初めて居場所ができた。
わたしはなぜか、この時計の気持ちのように嬉しい。
余剰を流す、ということにとてもわくわくする。
いろんなかたちのシェアがある。