パズル

お気に入りのデザインの食器で食べる。
そんなことが、自分の楽しみだったりする。
パンにはパンに合う皿を。
ガトーショコラには、ガトーショコラに合う色を。

あってもなくてもいいようなもの。
心を楽しくさせるのは、案外、そういうものだったりする。



無駄と思っていたものが、大切だと気づくことがある。
大人になるにつれ、大切でなかったものが重要なポジションになる。
大切だったものは、関心がなくなったり、後回しにしたり、無駄だと思うようになる。



けれど今は、無駄なんてないのだと思う。
ぼーっとしている時間も、横たわっているだけの時間も、その時の自分には必要だったのだと思う。
それらを無駄だと排除してきた時間さえも、大切だったと思う。



楽しむには、自分に許可を出す必要があった。
そんなの贅沢だ、何の役に立つ?と言い、
自分が楽しむことを許せないと思っている自分が同居している。
あるいは家族の目や、世間体かもしれない。



そうして切り捨ててきた、ひとつひとつをすくいあげて、大切にしていきたい。
抹殺してきた自分のパーツを、ひとつひとつ拾い集めていく。