ちっぽけな劣等感

近くのコンビニに行かなかったのは、知り合いに会いたくないからだ。
どうしてだろう?



同級生のことや、近況を話し合うのが嫌だった。
お互いそれほど興味はない。
共通の話題がそれくらいしかない。
もっぱら会うのは、昔から知ってるおばちゃんや、知り合いの母親なのだけど。



しかしよく考えれば、会ったって構わない気がする。
会ってしまえば、失礼のない程度に愛想よくし、適当なところで切り上げることができる。
しかしそんな自分にも嫌悪感がする。


街中なら、うつむいて足早に通り過ぎるところを、
ここでは止むを得ず、作り笑いをして、取り繕う。
別に嘘ついたりぼかしたって構わないのに、聞かれるとどうも正直に話してしまう。




しかし今日は、そのコンビニに行くことを選んだ。
それが一番効率がよかった。
頑なに行かない理由が、思いグセであることにも薄々気づいていた。



そして今日行って分かった。
自分からありのまま話してしまえば、隠したいことも後ろめたい事もなくなってしまう。
自分は結局、仕事をせず実家暮らししていることを、知られたくなかったのだ。
長々と書いたが、これが本音だった。



精神疾患になってから、自分の心の荷物に気づき、ある程度軽くしてきたと思う。
それでも少なからず、劣等感を抱いていた。
それは、拭い去ったと思ってもこびりついている。
まっさらというわけにはいかない。


それを認識することが、必要だったかもしれない。
少なからず付着している、無意識の自分を。




とにかくこれでラクになった、便利になった。
最寄りのコンビニを利用するのが、なんたって都合がいい。
卵と牛乳を買うためだけに、30分かけて次のコンビニまで行かなくて済む。